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バカなやつ2

「真志喜…!」 「お前に何が分かんだよ…?いい加減な事言ってんなッ。俺は事実を話してるだけだッ!」 「それで俺たちには何もするなって?そんな自己犠牲に何の意味があるのさ」 「違う!俺はただ、わざわざ危険な目に遭う必要はないって言っ…!」 話終わる前に、真志喜は言葉を止めた。 いや、止めざる終えなかった。 「いッ…!?」 「……った」 ゴンッと鈍い音がして、次には迅も真志喜も蹲り悶える。 ぶつかった額が痛い。 少し頭がグラグラした。 「テメェ…、いい度胸してんじゃねぇか…っ」 いきなり頭突きをお見舞いしてきた迅に、真志喜はその目をつり上げ、次には掴みかかっていた。 突然の取っ組み合いに、流石の清も唖然としてしまう。 「眼鏡ごときが俺に手を出すなんざ一生早ぇんだよ!」 「出したのは手じゃなくて頭だ」 「ンなことどーでもいいわ!」 真志喜は迅の髪を、迅は真志喜の頬を引っ張り合い、取っ組み合いがエスカレートしていく。 すっかり調子を狂わされた清が声をかけるも、ふたりは反応しない。 その騒ぎになんだなんだと人がやってくる中、後からやって来た正嗣がその中に割り込んだ。 「何やってんだ!ガキかオメェらは!」 叫ぶと同時に拳骨が飛ぶ。 それでも止まらない事態に周りも動き出して、なんとかふたりを引き剥がすのに大騒ぎであった。

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