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暗闇7

言われた意味が上手く理解できなかった。 じゃあ何か? この一連の騒動は、俺をその足掛かりにするためだけに起こしたというのか? 一体、なんの冗談だ? 「繋がりって…、どうせ問題か何か起こしたんだろ…?その尻拭いを俺にさせようって…?」 「……」 「ふざけんなッ!俺は日南組の人間だッ!お前なんて父親でも何でもないッ!テメェの失敗の尻拭いなんて、死んでもごめんだッ!」 そう怒鳴り散らせば、押さえ付けられる力が強まった。 「うぐ…っ」 「どうやら、自分の立場が分かっていないようだな」 「…っ」 痛みに堪え切れずに小さく呻く中、上から声がする。 顔を上げれば、あの頃と同じ目が此方を見下ろしていた。 本能的に体を竦ませる俺を、その冷め切った瞳が射抜く。 「まずその考え方を改めろ。このままでは話にならない。…連れて行け」 「はい」 強引に持ち上げられ、薬で力の入らない体はされるがまま抱えられた。 畜生…。畜生…。 何もできない自分が、酷く惨めに感じる。 俺は何も変わっていない。 あの頃と同じ、非力なままだ。 どれだけ強くなろうとしても、所詮は悪足掻きだったのだろうか。 俺の、ただの自己満足だったのだろうか。

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