188 / 208
暗闇11
ゆっくりと体のラインをなぞるように這う手に、真志喜は表情ひとつ動かさずされるがままにしている。
「まるで人形だな」
そう言い目を細める戸塚に、真志喜は沈黙を貫いた。
それが面白くなかったのか、戸塚はなおも話を続ける。
「ああ、別に間違ってねぇか。お前はウチのボスの操り人形なんだからなぁ」
「……」
「哀れなもんだぜ。母親には早くに死なれて、父親には道具扱い。最終的に行き着いた唯一の拠り所が極道だなんてよぉ」
日南組をコケにする言い方に苛立ちが込み上げた。
戸塚を睨み上げると、表情を変えたのが嬉しかったのか、ヤツは口の端をつり上げる。
「早く終わらせてぇんだろ?なら自分で挿れろよ」
「……」
押しつけられた股間を蹴り上げてやろうかと思ったが、真志喜は沈黙を貫いた。
そして徐に起き上がる。
「どけ」
「へいへい」
覆いかぶさっていた戸塚を退かし、無遠慮に自分の手を後ろへと持っていく。
ローションも何もなしに指を突っ込むと痛みが走った。
それでも構わず指を進め、広げていく。
「その様子じゃ、今も男相手に股開いてんのか?」
「……」
「ははっ。どんだけ現実から抗ったって、本質は変わらねぇもんだなぁ」
よく喋るヤツだ。
なんでもいいから、自分で服を脱ぐくらいしやがれ。
3本目を入れ、ハッと息を吐いた。
流石にキツイ。
ひりつく痛みで、額に汗が滲んだ。
…あー、もういい。
なんでもいいから、早く終わらせたい。
ふらりと戸塚に跨り、下を脱がせた。
そして己の後ろへ戸塚のソレをあてがう。
ともだちにシェアしよう!