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帰る場所

あの後、日南組のみんなと合流してから、迅はすぐに病院へと運ばれた。 銃弾は左斜め方向から左肩に着弾した。 その延長線上は心臓という、極めて危うい位置だ。 明らかに重症の迅に真志喜は気が気じゃなく、放心状態でその姿を見送った。 すぐに集中治療室へと運ばれた迅。 それから途方もなく感じる時間を、俺たちは待ち続けた。 「面会できるくらいまで良くなったらしいな、迅」 「……うん」 曖昧な返事を返す真志喜に、カウンターを挟んで凪が困ったような笑みを浮かべた。 いつもならコロコロと陽気に喋り続ける真志喜が、今はすっかりしょんぼりしてしまって。 差し出したカフェラテにも全く手をつけていない。 これじゃもうすっかり冷めてしまっているだろう。 今日、久しぶりに真志喜がやって来た。 トボトボと、まるで独りぼっちになった子犬のように身を縮ませて顔を覗かせた真志喜。 今回の騒動は兄さんから聞いている。 俺は「おかえり」と微笑んで、他のお客さんがいないのをいいことに、その体を抱きしめた。 「その腕の怪我、大丈夫か?」 「うん…。少し骨を痛めたけど、1週間くらいすれば問題ないって…」 真志喜は随分としおらしく、それが迅絡みであることは一目瞭然だった。 さて、どうするべきか。 下手に言葉にして、真志喜を傷付ける真似はしたくない。 でも今の彼には、誰かからの後押しが必要だ。 そう考えていると、不意に扉が開きベルの音がした。 「いらっしゃい」と声をかけた俺は、次には「おっ」と声を上げる。 首を傾げ後ろを振り返った真志喜に、相手はほわんと柔らかく微笑んだ。

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