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帰る場所11

もうなんだか、このままキュン死にしそうだ。 「真志喜…、真志喜…っ」 「あ、んん、はっ、ぁあ…っ」 汗が滴る。 顔にかかる前髪が邪魔で、片手で乱暴にかき上げる。 布団を掴む真志喜の手に指を絡めた。 握り返されることに、込み上げてくるものがある。 「も、だめ…っ、イっちゃ、あ…っ」 「っ、うん…。俺も、もう、限界…っ」 体を倒して、ギュッと真志喜を抱きしめた。 更に真志喜の奥に押し入り、激しく腰を打ち付ける。 熱を吐き出したのは、ほぼ同時だった。 室内に、2人の荒い息遣いだけが聞こえる。 すると不意に、真志喜の手が伸ばされて、俺の目元を親指でなぞった。 見下ろした先の真志喜が、眩しそうにその目を細める。 「迅の、目…」 「俺の目…?」 「初めて見た時…、すげぇ、キレイだと思った…」 「!」 突然の告白に固まる。 真志喜がよく俺の目を見ているのも、それを隠すことを良く思っていないことも知ってた。 でもまさか、あの時に真志喜がそんなことを思っていたなんて…。 この目が嫌いだった。 あの母親に似た目が、憎らしくて、恐ろしかった。 だけど、そんな目でも、俺の最も大切な人は好きでいてくれると言う。 「……初めて自分の目、好きになれたかも」 そう言って笑うと、真志喜も笑った。 こんな無防備で純粋な真志喜の笑みは初めてで、言い表せない感情で胸が熱くなる。 真志喜…、俺だけの真志喜。 もう二度と、離したりしないから。 だからずっと、俺の側にいてくれ…。

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