2 / 216
高校デビュー
そんなこんなで二学期になり、僕は今、高校でぼっち生活を送っている…。
別にこんな展開を望んだわけではなかったのだが、今更何を言ったって後の祭りだ。
僕は高校入学から今までずっとあるアイテムを付け続けていた。
それは、眼鏡とマスクだ。
実際視力はいいので伊達である。
視力検査の時もわざと間違えまくり、人生で初めてCの判定を受けた。
マスクは大人用の大きいものだ。
少しでも顔を隠したいから、もう殆ど覆面みたいになっている。
この二つを使うことで、確かに地味にはなれたと思う。
しかし不審者のようなこの見た目では上手く友達が作れず、結果ぼっちになってしまっているのだ。
どうやら周りでは僕のことを《マスクマン》と呼んでいるらしい。
それを知った時は結構本格的に落ち込んだ。
しかしここまできたら後には引けない。
このタイミングで顔を公開したら、余計目立ってしまうのは確定だ。
そんなことをしたらまた同じことの繰り返しになってしまう。
もう二度とあんな被害に遭いたくはない。
そのためならマスクマンでも何マンでも構わなかった。
そう。構わないのだけれど…。
どうしても、もっといい方法があったような気がしてならない。
こんな不審者扱いされない、且つ平和に過ごせる方法があったのではないか。
自分は間違った選択をしてしまったのではないか。
そんなことを考えては激しく落ち込む日々が続いている。
「おはようございまーす!」
僕が激しく落ち込んでいる中、朝の教室にいつもの明るい声が響いた。
ともだちにシェアしよう!