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ショッピングモールへ7

「ん?なに?」 「あ、いや、その…。また、遊んでくれるのかと思って…」 「え?当たり前じゃん!一度限りなわけないでしょ」 「で、でも僕といても楽しくないでしょ…?」 「んなことない!すっごい楽しい!」 「す、すごい…?」 「うん!すっっっっっごい!」 真面目な顔をして言ってくるシンくんをキョトンと見つめて、やがて僕は吹き出してしまった。 僕に変わってキョトンとするシンくんの前でクスクス笑う。 なんだか可笑しかった。可笑しくて、嬉しい。 「ど、どうした天野?俺変なこと言った?」 「ううん。ありがとうシンくん。楽しんでもらえてよかった」 そう言って笑顔を向ければ、シンくんの目が見開かれた。 固まるシンくんに、僕は首をかしげる。 「どうしたの?」 「……笑った」 「え?」 「初めて見た。凄くかわいい」 「かわ…!?」 顔が一気に熱くなって、真っ赤になったのが自分でわかる。 僕は途端に物凄く恥ずかしくなって、慌ててキャップで顔を隠した。 「か、かわいいなんて、そういうのは彼女さんとかに言ってあげなよ…!」 「ん?彼女なんていないけど」 「え!?シンくんなのに!?」 「なのにって…。俺にどんなイメージ抱いてるの」 驚いた。シンくんなら当たり前に彼女さんがいると思ったのに。 きっとたくさん告白もされるだろう。 なのに何故いないのだろうか。 興味がない?本命がいる? んん…、彼の考えていることがわからない。 「ね。もっかい笑ってよ」 「え?」 唐突な要望に顔を上げた。 一瞬言われた意味がわからなくて固まったが、次には意味を理解し呆気にとられる。 僕が笑ったのがそんなにも珍しかったのだろうか。こんな下手くそな笑顔なんて見ても何にもならないだろうに…。 「俺、天野の笑顔見たい」 「そ、そう言われても…」 「ほら、にこーって」 「に、にこー…?」 言われてぎこちなく笑顔を浮かべた。それを見て、シンくんは柔らかく微笑む。 「やっぱ、ちょーかわいい」 「…っ」 シンくんの笑みはとても大人っぽくて、凄くかっこよかった。 思わず見惚れてしまった僕に、彼は言葉を続ける。 「ね。俺、天野のこと虎介って呼んでもいい?」 「え?う、うん」 「じゃあ俺のことは慎太郎って呼んでよ」 「ど、どうして…?」 「んー。なんか、みんなと違う感じするじゃん」 そう言って、今度は無邪気に笑うシンくん。 なんで違うほうがいいのだろう。 分からずに困惑していると、頬に何かが触れた。 それがシンくんの手だと気づき、僕は息を飲む。

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