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ショッピングモールへ11
「ほんとにごめんな。もう、無理に外せなんて言わないから」
「ううん。僕のためを思って言ってくれたんだし、謝ることないよ。それに」
「……それに?」
不思議そうな顔を向ける彼へ、微笑む。
そんな僕に瞠目した彼に向かって本心を告げた。
「僕、こうやって友達と久しぶりに遊べて、本当に嬉しかった。慎太郎くんと一緒にいるの、僕、すごく楽しいよ。慎太郎くんにはこれ以上ないくらい感謝してる。……本当にありがとう」
微笑みを深めて、彼の目をまっすぐに見つめる。
大切なことを伝える時は、相手の目をしっかり見ること。
それはお父さんからの教えで、僕ら家族は重要な話をする時はちゃんと目を見て話す。
昔は恥ずかしくて慣れなかった僕も、今では自然とできるようになっていた。
まぁ、心を許した人限定になんだけど。
慎太郎くんは僕を見たまま固まっていた。
そして次にはその顔が真っ赤に染まる。
予想外の反応に僕が動揺する中、彼は口に手を当てて顔を背けた。
「……そんなの、反則だろ」
「え?ごめんよく聞こえな…」
「もー!他の人にはこういうことしちゃダメだからな!?」
「こ、こういうことって…?」
「とにかくいい!?」
「は、はい…っ」
言っている意味が全く分からなかったが、慎太郎くんの圧がすごくて頷いてしまった。
先程まで張り詰めていた心が、少し軽くなった気がした。
やっぱり慎太郎くんはすごい。
僕みたいな人間は、側にいるだけで眩しくて目を細めてしまいそうになる。
少しでも近づきたい。彼のようになりたい。
慎太郎くんに出会ったその日から、この思いだけはいつまでも変わらなかった。
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