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危険人物5

それからまたミニゲームが再開されて、生駒くんは宣言通り僕に何度もパスを渡してきた。 その度にシュートを決めたり、再びパスをしたり。 駄目だと思っていても、動きは更に早くなっていく。 久しぶりのバスケが楽しくてのめり込んでいく。 結果僕たちはその試合に勝利し、その後もどんどん勝ち進んでいってしまった。 運動神経のいい生駒くんは、経験者の僕についてくる能力がある。 だから更に自身の上限が外れてしまう。 上機嫌の生駒くんと違い、僕は冷や汗ダラダラだ。 勝ち進めばそれだけギャラリーが増える。 そしてついに決勝戦。こんなところまできてしまった事実に絶句する。 決勝の相手は、案の定慎太郎くんだった。 ペアはバスケ部に入っている岡本くんだ。 タッパもあるし、きっと上手いのだろう。 そんなことを思って勝手に引け目を感じていると、側に寄ってきた生駒くんが声をかけてきた。 「お前、相手がシンだからって手加減すんなよ」 「は、はぁ」 手加減をするだなんて上からなことできるわけがない。 僕はただ尻込みしているだけだ。 おかしな誤解をしている生駒くんに溜息が漏れそうになる。 「んー、相手は虎介かぁ。一緒にやれるのは嬉しいけど、敵じゃあなぁ」 「おいシン、こっちシカトすんな」 「いやだって優璃とか毎回だし」 慣れたようなやりとりに、やっぱり二人は幼馴染なんだと改めて思う。 「ほらお前ら、早く始めるぞ」 そうしていると先生から注意をされた。 キツキツでやっているから、もう時間がないのだ。 僕的には中止になってくれた方が助かるんだけど、先生は困るだろうし、きっと次の授業に持ち越しになるだけだ。 ならばあれやこれや考えてしまうより、今ササッと終わらせてしまった方がいい。

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