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ロミオとジュリエット2
そうしていると、隣にやってきた慎太郎くんに肩を叩かれた。
なんだろうと顔を向けると、一瞬でマスクと眼鏡を外されてしまった。
「えっ、なに……!?」
「練習するなら取ったほうがいいでしょ」
「た、確かにそうだけど……。まずは台詞読むだけだよね?」
「マスクで声こもっちゃうじゃん。いいから、練習中は取ってね」
確かに、練習中にマスクをしたままではいけないだろう。
何も言えず、隠すものがなくてそわそわする僕に慎太郎くんは微笑んだ。
「大丈夫。俺がいるから」
「……!」
一気に顔を赤らめる僕に彼はまた笑った。そして手を引かれ歩き出す。
「さ、行こ。練習練習」
「……」
さらりとそんなことを言ってしまう彼に、こっちが照れ臭さを感じてしまう。
しかもまったく違和感を感じないのはなんなんだ。
すっかり赤くなった僕は、慎太郎くんに連れられてみんなの輪の中に入っていった。
その瞬間、一気に視線が僕に集中する。僕はそれに耐えられず、つい慎太郎くんの後ろに隠れてしまった。
すると輪の中にいた生駒くんが、隣の男子の頭を叩く。
「いてっ!なんだよ」
「ジロジロ見んな。早く練習するぞ」
その言葉に周りがハッと我に返った。
動き出した周りに僕がホッとしていると、慎太郎くんがくすりと笑う。
「ほんと、あいつって単純だな」
「え?どういうこと?」
「好きな子相手の行動が分かりやすい」
「す……っ」
いきなり何を言い出すのだと眉を寄せれば、慎太郎くんは僕の頭をうりうり撫でた。
そうすると生駒くんに「おいそこイチャコラすんな!」と叱られてしまう。
別にそんなつもりはなかった僕が狼狽する中、相変わらず慎太郎くんは楽しそうに笑っていた。
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