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甘露3

中に入ると井上さんが作ってくれた夕食がテーブルに置かれていて、僕たちはまずそれをご馳走になった。 どれもとても美味しくて感激する。唐揚げは衣がサックサクで鶏肉はふわふわだった。 是非レシピを知りたいと目を輝かせる僕を、慎太郎くんは可笑しそうにクスクス笑う。 「なんか、ヨーグルト?を使ってるとか言ってた気がするよ」 「あーなるほど!だからお肉が柔らかいんだ。へぇ、凝ってるなぁ」 「虎介は料理が好きなんだね。だからあんなに美味しいんだ」 「っ、あ、ありがとう……」 ナチュラルに褒められて赤面する。 その微笑みは反則だ。まるで蕩けてしまいそうなほど甘い声音で言われると、ドキドキしてしまっていけない。 ご飯をあっという間に食べ終え食器を洗うと、まぁまぁの時間になっていた。 「虎介、お風呂入ってくる?」 「いや、慎太郎くんから入りなよ。先は申し訳ないというか……」 「そんなことないけど。虎介って律儀だなぁ」 そう言って笑う慎太郎くんは、次には何かを思いついたような顔をして意地悪そうな笑みを浮かべる。 「なんなら、一緒に入っちゃう?」 「な……っ」 (なななななななっ……!?) 一気にパニックになる僕を彼は可笑しそうに笑い、頭を撫でられる。 「冗談、冗談。じゃあ先にお風呂入ってくるね」 「っ、は、ハイ……」 完璧に揶揄われた。 去っていく背中をプルプル震えながら睨みつける。 というか一々大袈裟な反応をしてしまう自分が恥ずかしい。意識してるの丸分かりじゃないか。

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