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甘露4

付き合っている。そう慎太郎くんは言った。 それを言われてた時、驚いたけど否定をする気にはならなかった。 むしろ嬉しかった。もっと慎太郎くんに近づけたことに、胸のあたりがポカポカした。 慎太郎くんといると、モヤモヤしたり怒ったり、今まであまり湧いてこなかった感情がいっぱい出てきて動揺してしまう。 でもそれ以上に幸せだと感じるのだ。彼の隣にいることに、居心地の良さを感じる。 父さんや碧兄といる時とはまた違う居心地の良さだ。 それから着替えの用意をしたり、父さんからメッセージが来たので返信したりしていると、やがて慎太郎くんが戻ってきた。 トレーナーにスウェットというラフな格好で、僅かに濡れた髪とか、火照った頬とかを見て赤面してしまう。 「次、虎介入ってきなよ」 「う、うん……」 誤魔化すようにそそくさと着替えを手に取る虎介。 そんな彼の気付かないところで、慎太郎は1人不敵な笑みを浮かべた。 *** 「……あの、し、慎太郎、くん……?」 「うん。なーに?」 「な、なんで、着替えが入れ替えられていたんでしょうか……?」 爽やか100%の笑みを浮かべる慎太郎くんに、僕は殆ど半泣きの状態で尋ねる。 お風呂から上がると置いたはずの着替えがなくなっていて、代わりに別の着替えが用意されていたのだ。 いや、これは着替えと言うのかどうか……。 「だって、俺も彼シャツさせたかったんだもん」 まさか、名塚くんへの対抗意識……? いや、でも、これは彼シャツとかそれ以前に……。 「し……、下は、着させてもらえないのでしょうか……?」 そう。今僕は、長袖Tシャツ1枚と下着のみを身に付けていた。 慎太郎くんのTシャツはお尻が隠れるくらい大きい。でも、落ち着かないものは落ち着かない。 「だって、履かない方が余計に萌えるじゃん」 「も、もえ……?」

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