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甘露7

「そんなことない。面倒なことあるもんか」 次に僕の瞼にキスを落として、彼は微笑む。 「大切にするよ。焦らず、ゆっくりでいいから。だから、安心して」 「……っ」 その言葉に、きゅうっと胸が締め付けられる。 なんて優しいのだろう。優しすぎて、涙がこぼれそうだ。 慎太郎くんはすごい。僕はちょっとしたことで動揺したりしてしまうのに、彼はいつも大人びていて僕を優しく包み込んでくれる。 「ってゆーか……」 「?」 その時、慎太郎くんがポツリと低い声で呟いた。 僕はきょとんと彼を見上げ、息を呑む。 彼の瞳が絶対零度並みに冷ややかになっていることに気付いたからだ。 「もしヤッてたら、その相手を地の果てまで追いかけて其れ相応の制裁を加えるかな」 「……ソ、ソウデスカ」 にこっと黒い笑みを浮かべる彼。 さっき大人びてるとか言ったけど、意外とそうでもなかったりして……? 「虎介……」 「え。っ、んん……っ」 唐突に唇を塞がれて、そのままソファーに押し倒された。 唇に触れ、舐められる。 強張る僕の頬を慎太郎くんの指が伝い、そっと耳を撫でられる。 震える手で彼の服をキュッと掴むと、ゆっくりと唇が離れて至近距離で見つめ合った。 「……俺は、虎介のもっと深い部分が見たい」 「っ……」 「……ベッド、いこっか」 そう言って微笑む彼に、僕は呆然としながらこくりと頷いた。

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