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甘露9
Tシャツがずり上がり、僕は胸のあたりまで露わにされる。
恥ずかしくて身を捩るが、慎太郎くんと手を繋いでいるから上手くいかなかった。
そんな虎介を見下ろして、慎太郎は呟く。
「虎介。すごい綺麗……」
輪郭をなぞるように脇腹に指を這わせれば、虎介の体はピクピクと震えた。
唇を結び、息を詰めるその姿がどうしようもなく愛らしい。
でももっと可愛い声が聞きたくて、慎太郎は耳元で囁く。
「虎介。声、出して」
「っ、は、恥ずか、しいよ……」
ふるふると首を横に振る虎介に困ったように笑うと、慎太郎は小さな胸の飾りに触れた。
驚く虎介に微笑んで、小さなそれを軽く撫でる。
「なんで恥ずかしいの?」
「ん、ぁ……っ。だ、だって……、へ、変な声、だから……っ」
「そんなことない。すごく、可愛いよ」
緩急をつけてそこを弄れば、快感が膨れ上がり、広がっていく。
「声、出して。虎介」
「や、ぁ……っ」
口で吸われ、虎介から甘い声が上がった。
未知の経験ばかりで瞳を潤ませる虎介。慎太郎は繋いだ手にキスを落として、その頭を優しく撫でた。
「大丈夫だよ。大丈夫」
「んぅ……」
そっと唇を合わせ、啄ばむように何度も口付ける。
どうしようもなく、虎介に触れたい。
けど、無理はさせたくなかった。
虎介にも気持ちよくなってもらいたい。
俺で善がる虎介の姿が見たい。
「こっち、触るよ」
そう告げて、ゆっくりと手を下に這わせていく。
そして下着越しに、彼の中心に触れた。
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