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甘露10
「んぁ……っ」
腰を震わせる虎介を慎太郎は愛おしそうに眺め、またそっと指を這わせる。
やがてゆっくりと揉むように中心を刺激すれば、虎介は慎太郎にしがみ付きいやいやと首を振った。
「まって……っ、それやだ……!」
「んー。なんでやだの?」
「んんっ、あ、やぁ……っ」
愚図るような声には、ひどく艶めかしい響きが混じっている。
体を熱らせ震える虎介に、慎太郎は熱い吐息を漏らした。
口付けをしながら下着を脱がされ、虎介は反射的に足を閉じる。
その太腿に手を這わせ、慎太郎は虎介の耳に唇をくっ付けた。
「隠しちゃだめだよ」
「……っ」
触れるほど至近距離で囁かれ、首筋に甘い痺れが走る。
おずおずと慎太郎を見上げると、目があった彼は優しく微笑んだ。
「虎介。お願い」
「っ、う、うぅー……」
ずるい。こんな風に言われて僕が逆らえるわけないのに。それを分かってて彼は言っている。
謎の敗北感を感じながら、虎介は恐る恐る足の力を抜いた。すると慎太郎は嬉しそうに笑みを浮かべて、僕の足を左右に開く。
ああもう、こんなに恥ずかしいことってない。きっと今僕の顔はタコみたいに真っ赤っかだ。
両手で顔を覆うと、慎太郎くんが手の甲にキスをしてくる。
さっきから思ってたけど、彼はキスが好きなのだろうか。何度も口付けられている僕は、なんだか居た堪れなかった。
その時、慎太郎くんが何かごそごそしているのに気付いて視線を向ける。
彼はボトルから出した液体を手に垂らしていた。
一瞬ハテナマークが頭に浮かんだが、なんとなく察しがついてカァッと顔を赤らめる。
え。でもそれどうするの?
というかこれから何をするの?
知識も何もない僕は、ぐるぐると回る思考に混乱する。
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