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甘露12
未だに中で動く慎太郎くんの指は、気付けば二本になっていた。
初めは違和感のみだったそれが、だんだんと快感になっているのに気付く。
擦られる部分が甘く痺れる。
その快感に愚図るような声を漏らし、虎介は慎太郎にぎゅっとしがみついた。
「しん、たろぉ……っ」
「!」
甘い、まるで甘露のような響きに慎太郎は瞠目する。
グッと込み上げるものがあって、深く虎介に口付ける。
「っ、虎介。もっと。もっと呼んで……っ」
「あぁ、んっ。しん、たろうっ……、しんたろう……っ」
呼ばれる名前が、じんわりと胸の奥に染み込み広がっていった。
愛おしい人が、自分の名前を呼んでくれている。それがどうしようもなく嬉しくて、目頭が熱を帯びた。
虎介の中から、どんどんと力が抜けていくのが分かる。
一度グッと指で中を押せば、虎介が身を捩りシーツに皺を作る。
両腕が伸びてきて、強請られるままにキスをした。その間に指を抜き、下着の中から自分のものを取り出してゴムをつける。
「……痛かったら、言って」
「う、ん……」
既にとろとろになっている虎介の膝裏に手をやる。そのままゆっくりと左右に足を開かせ、露わになった入り口に先端を押し付けた。
「いれるから、息、止めないでね……」
「…………うん」
お互いぎこちなくやり取りを交わし、思い切って中に差し込む。
「あ、ぁあ……!」
「ッ……せ、っまい……!」
本当に全部入るのかと疑うが、行けるところまでゆっくりと進んでいく。
虎介はギュッと瞼を閉じて眉間に皺を寄せていた。おそらく異物感や苦しさに耐えているのだろう。
中はめちゃめちゃ熱くて、ヤバイほどに気持ちがいい。
真下にいる虎介の震える体を抱きしめキスを交わす間も、少しずつ奥へと進めていった。
そしてやっと、腰と腰が当たったことに気がつき、一度動きを止める。
すると虎介は俺にギュッと抱きついた状態で固まっていた。
顔を覗き込むと口をパクパクさせいっぱいいっぱいになっていて、その愛らしさに口元が緩んでしまう。
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