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幸運なもの3

これは一体、どういうことだろうか。 掃除に精を出し過ぎてしまったようで、少し時間を過ぎて待ち合わせ場所に到着した僕はパチパチと瞬きした。 そこで待っていたのは、生駒くんと志音くん。それから何故か慎太郎くんの姿もあったのだ。 どうして慎太郎くんがここに?と首をかしげると、尋ねる前に慎太郎くんがにこりと笑みを浮かべる。 「午前中に予備校があったんだけど、その帰りに2人と出くわしてさ。折角だから俺も一緒に行こうと思って」 「あぁ。そ、そうなんだ……」 「図々しいやつ!帰れって言っても帰らねぇし!」 「なんだよ。昔はキモいくらい俺にくっ付いてたくせに」 「あれは敵情視察だ!」 「敵情視察……っ」 「おい笑うな志音!」 ワーワー騒いでいるみんなを遠目に眺め、僕は僅かに顔を俯ける。 理由は分かった。 でもそうなると、僕にとって1つ問題が生じてしまうことになるのだ。 それは何かと言えば…… まず慎太郎くんとカフェに行き、ケーキを食べるとする。 僕は勿論たくさん食べたいから、軽く5個はいくだろう。 そうすると、その大食いっぷりが慎太郎くんに見られてしまうわけだ。 慎太郎くんは僕がショートケーキ好きなことを知らない。 正直その事実を知られたくもない。 だってなんだか恥ずかしいのだ。 今まで他人に対してそんなことを思ったことはあまりなかったのに、慎太郎くんに対してだと見せたくない知られたくないと感じてしまう。

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