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幸運なもの15
それって、どういう……。
柏木さんの目的は、慎太郎くんってこと……?
「俺は、あいつの本性が見てぇんだ。いっつも腹ン中で何考えてんの分かんねぇ、そのカッチカチの殻をブッ壊してぇの」
「……ほん、しょう?そんなのどうやって……」
「だから、それを今やってんだろ」
「え?」
その時
ピンポーンとチャイムが鳴る音が聞こえた。
「っ、今のって……、うわっ!?」
外部に気を取られた瞬間、いきなり柏木さんが覆いかぶさってきた。
その手の動きが何をしようとしているのかを察して、一気に青ざめる。
「な、なにして……!?」
「だいじよーぶ、鍵は開けといたから」
それって、どういうこと?
尋ねようとしたが、パーカーを脱がされそうになりそれどころじゃなくなる。
胸元まで捲り上げられた服を必死に抑え、足をばたつかせた。
「やっ、やめてください……!」
「そうそう、もっと大声出せ」
耳元で囁かれ、体が強張る。
嫌だ。離れて。
触られたくない。
こんな姿、他人に見られたくない。
今までは、周囲に性的な目で見られることがただただ怖かった。
だから他人を遠ざけて、遠ざけて……
いつの間にか、誰とも関わらなくなっていって……
独りになって……
そんな時、慎太郎くんが手を差し伸べてくれた。
キラキラしてて、まるで太陽のような笑みで、独りぼっちの僕を救い出してくれたんだ。
そんな彼が、僕は大好きで……
この体を、彼以外に触れて欲しくない。
嫌だ。嫌だよ……。
助けて……慎太郎……っ。
──その時
扉が壊れそうになるほどの強さで、勢いよく開かれた。
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