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幸運なもの22

雰囲気から察した僕はさらに顔を赤らめる。 あわあわしていると、お腹に回されていた手がスルリと服の中に入ってきた。 「っ、ぁ……」 「こすけが欲しい」 そのまま上に登ってきた指が、僕のぺたんこの胸に這わせられる。 こんな所でするなんて、と頭では分かっている。 でも、抗う気がそがれてしまう。 だって、僕だって慎太郎が欲しかった……。 「ぁ、んんっ、しんたろぉ……」 彼に触れられたところが熱い。 イチャイチャするのはまだ慣れていないけど、少しずつ素直に受け入れられるようになってきた。 恥ずかしいとかいうのは、ある意味自分勝手な感情なのかもしれない。 それで相手を拒絶してしまったら、それは傷付けてしまうことと同じだから。 自分自身も求めているのなら、誤魔化したりせずそのままの気持ちを相手に、慎太郎に届けたい。 思いやりのコップには誰のものにも限界があるのだ。いつまでも彼に任せっきりではいけないだろう。 慎太郎は余裕がなさそうなのに決して性急ではなく、優しく接してくれた。 そっと肌に指を這わせ、輪郭をなぞるように移動していく。 その感覚が何とも言えなくて身を捩ると、慎太郎は小さく笑い軽く口付けてきた。 「なんかもう……、好き過ぎてどうにかなりそうだ」 そうして僕のパーカーを脱がして首筋や鎖骨にキスを落とされる。 その間に慎太郎の手はズボンのチャックを開けた。 「ぁん……っ」 中に入ってきた手が、下着の中に入ってくる。 そして反応し始めているモノを長い指で包まれ、甘い痺れに体が震えた。 ゆっくりと擦られ、悶える手足の動きでシーツにしわができる。 慎太郎の首に抱きつけば、耳を舐められさらにピリピリとした感覚が強まった。

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