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幸運なもの23

「ゃあ、く、ぅん……っ」 「ちゃんと、感じてるね。うれしい」 「あぁっ、そこ、やだ……っ」 「ん。こすけ、先っぽ弱い?」 耳元で囁く慎太郎の声。 どこまでも甘くて、余計頭がふわふわする。 すると急に彼の手が離された。 僕が目をぱちくりさせていると、体も離した慎太郎が微笑みを浮かべる。 彼はずりずりと僕の足元まで移動していき、次にはパクリと、僕のモノを咥え込んだ。 「えっ、ぁあ…!なに、して……っ」 「んー。フェラってやつ?」 「ふぇっ……?」 なんか聞いたことあるけど、まさかこういう意味だったなんて……。 熱い彼の口の中を直に感じて、僕はただただ翻弄される。 舌の動きが艶めかしい。 一気に高まる感覚に、僕は結構まじめに慌てた。 「まって、も…いっちゃ……っ」 「ん。いいよ、だして」 「だめっ、きたな……ぁあっ」 「こすけのものは、全部、かわいいよ」 腰がびくびくと痙攣して、次には堪えきれなかった熱が弾けた。 一瞬目の前が真っ白になり、汗だくでハァハァと荒い呼吸を繰り返す。 すると僕の湿った前髪をかきあげて、おでこにキスが落とされた。 見上げると、至近距離にいた恋人は幸せそうに笑みを浮かべる。 それを見るだけで、胸がポカポカと暖かい。 ほら、やっぱり…  僕は、とびっきりの幸せ者だ。

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