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幸運なもの24

眼が覚めると、視界が妙に暗くなっていた。 それが慎太郎の腕の中だからだと気付いて、ぷはっとそこから顔を出す。 あれからなかなか解放してくれなかった恋人の頬をツンツンとつつく。 まったく、仕方ない人だ。 碧兄たちには、なんとなく気づかれているよな……。うぅ、顔を出しにくい……。 でも、心から愛おしいと感じる。 再び抱きつけば、やっぱりポカポカ温かい。 キラキラして、まるで太陽のような、僕の憧れの人。 僕の、大切な恋人。 一緒にいるよ。何があっても、君のそばにいる。 「大好きだよ」 「……俺も」 「え」 顔を上げれば、ニコニコと微笑む慎太郎がいた。 一瞬ポカンとした僕は、次には顔を赤面させる。 「え、お、起きて……!?」 「ね、虎介。もう一回しない?」 「なぁ!?む、無理だよ無理ぃぃ!」 「だって虎介があんなかわいいこと言うからぁ〜」 今日もまた、1日が始まる。 彼が側にいる、幸せな日常が始まる。 (完)

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