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番外編 優璃・志音

「あー誰だよ今日晴れるって言ったやつー!」 「なに、僕のせい!?天気予報のせいじゃん!確かに降水確率30%だったけど!」 「それ晴れじゃねーじゃん!」 「残り70に賭けてたの!」 不運にも土砂降りの雨。 そんな中で、生駒と志音は相変わらずワーワー言い合いをしながら道を走っていた。 「お!あそこ雨宿りに使えるぞ!」 そう言って逃げ込んだお店の前。 そこに並んで立ち、びしょ濡れの体を見下ろして溜息をつく。 お店はシャッターが閉められていて、空いている時は何を売っているのか思い出せなかった。 優璃との帰り道。 相変わらず言い合いばかりだけど、この幼馴染が隣にいると、同じ景色を見ているはずなのにやけに世界が広く感じた。 淡く彩られた空間に、2人きり。 指先が、少しぴりぴりする。 「あー、こりゃ速攻で風呂だな」 そう言って頭を振り犬みたいに水を払う優璃。 昔はボッサボサの黒髪だったけど、今ではちゃっかりセットしてるし、ミルクティーみたいな色に染めてる。 始めてその髪を見た時は、背伸びしてる感があって散々バカにしてケラケラ笑った。 でも、それから少しして一気に背も伸びて、逞しくなって。 案外、様になってる気がしないでもない。 もしかして、また背が伸びたかな。 隣に並ぶ幼馴染をチラリと見る。 その濡れた横顔に、不覚にもドキリとしてしまった。 なにさ、バカ優璃のくせして。 なんか生意気。

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