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番外編 優璃・志音3
「…こまくん。…生駒くん?」
「……へ?」
ボーッとしていた意識が浮上し我に返ると、目の前にいた虎ちゃんと目が合った。
至近距離からこちらを覗き込まれていることに気づき、赤面する。
我ながらなんだ、このうぶな反応。
「どうしたの?体調悪い?」
「い、いや大丈夫っ。へーきへーき…!」
心配そうに俺を見る虎ちゃん。
この距離は正直心臓に悪いので咄嗟に距離を取った。
なんかいい匂いしたなぁ。
甘くて爽やかな香り。
でも香水とかしてないんだろうし、どうなってんの虎ちゃんの匂い。
今俺は虎ちゃんが図書館に行くというので、その付き添いできていた。
何故かと言えば、虎ちゃんは顔を公開してから爆発的な人気を得てしまったからである。
今現在も感じる幾つもの視線。
多分【虎介ファンクラブ】のやつらだな。
いや、今は名前を変えて【虎介親衛隊】だったっけ?
なんかいくつか派閥までできているらしくて少しややこしいことになっている。
まぁ、本人はよく知らないだろうけど…。
だからいつ虎ちゃんがどこの誰かに襲われたり言い寄られたりするのか分かったものじゃないのだ。
シンのやつにも気にかけてくれと頼まれている。
あいつは虎ちゃんの顔を公開させた原因のくせに、何かと忙しくて側にいてやれてないことが多い。
あいつが俺に何かを頼むなんて初めてだったからめちゃめちゃ新鮮だった。
まぁそんなこと、頼まれるまでもねぇけど。
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