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番外編 優璃・志音4
「…ん?」
ふと視界に入った虎ちゃんの首筋。
その白く透き通った肌に、何やら赤いあとが…。
「…虎ちゃん」
「ん。なに?」
「いや。なんか首筋、赤くなってんぞ。蚊にでも刺された?」
今冬だけど、と冗談を言おうとした途端…
ブワァッと虎ちゃんの顔が真っ赤に染まった。
急いで隠すようにボタンを1番上まで付けだし、わたわたと挙動不審になり始める。
「ふ、冬でも蚊っているんだね!?いやー通りで痒いと思ったんだ…!まったく、困った蚊だなぁ…!」
「……」
……あー、なるほど。
そーいうことか。
複雑な気持ちで慌てる虎ちゃんを見つめる。
そっか。そうだよな。
すっかりラブラブな感じだよな。
なんか、実際目にしちゃうとマジで落ち込む。
だってこんなの、
俺の立ち入る隙なんて、微塵もねぇじゃん。
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