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口に含んで舌先で転がすように舐めてやると はっ、はっ、と短く息を吐く。 勃ち上がった中心が寂しそうだったので 新田の片手を掴んで、自分で握らせた。 「自分でいつもどうしてるの?見せて」 「い、嫌っ……」 さすがに恥ずかしがって手を離した。 「なんだよ、やって欲しいの?」 顔を除きこんで聞くと、力いっぱい首を振る。 ー なんだこれ、かわいい… もっと苛めてやろうかとも思ったけど 今日は優しくすると言ったしな。 俺もそんなに余裕もないし…。 唇に舌を這わせ、優しくキスをする。 キスは受け入れるものの、舌を滑り込ませようと したら、顔を背けて逃げられた。 両手で顔を挟んで、もう一度押し入ろうとしても 同じように顔を背ける。 「……ふぅ~ん…そ! まぁ いいや…」 体は売っても心は売らない、みたいな? キスだけは許さない…的な? 意外と乙女なんだな。 俺は新田をそのまま押し倒して サイドテーブルに置いておいたローションと ゴムに手を伸ばした。 「……本当に あの日からしてないの?」 華奢な新田の上に被さって、新田の片足を 俺の腰に引っかけさせた。 新田の喉がごくりと鳴って、静かに頷く。 ローションまみれの手で、新田の後ろを 撫で回す。 それだけで、新田の様子が明らかに変わった。 「ぅぅん…はぁはぁ」 小さな声を漏らしながら腰をくねらせる。 俺が回りばかり撫でて、核心に触れないのが もどかしくて仕方ないんだろう。 これは完全に後ろの快感を知ってる奴の 反応だ。 初めての時だってそうだった。 前戯もなく、あんなに乱暴に突っ込まれて 恍惚とした表情を見せるなんて…。 これは1度や2度で身に付いたりしない。 本来受け入れるようにはできてない器官へ 突っ込んでるんだ。 性感帯を刺激すれば気持ちいいなんて 単純なものじゃない。 快感以上に苦しく痛い。それが当たり前だ。 新田はもう、それを通りすぎて この行為を完全に快感として受け入れている。 こうなるまでに、いったい何度?何人?と こんな事を繰り返したのだろうと思うと 胸の奥から苦いものが込み上げた。

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