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4. 7
シャワーを浴びて、さっぱりして、服を着たら。
急に教師と生徒に戻った気がする。
「忘れ物無いな?」
俺が聞くとウンと頷く。
ドアノブに手をかけて、部屋を出ようとして
立ち止まった。
「白井先生?」
不思議そうに見上げる新田の顔を
唐突に両手で捕まえて、唇を重ねた。
舌を唇の隙間から滑り込ませると。
ぎこちなくも素直に口を開いて受け入れる。
ー やっぱり、拒まない…これは行ける!
ゆっくり顔を離して鼻先を擦り合い、その距離で
目を見つめると、新田の視線が戸惑って泳いだ。
「よし、帰ろう」
「…は、はい」
後ろからついて来る新田に見えないように
我ながらイヤらしくニヤついた。
間違いない。次もきっとコイツは拒否しない
ちょっと強引に誘えば必ず誘いに乗ってくる。
やっぱりガキだな。まぁ無理もない。
自分もそうだったかもしれない。
覚えたての快楽に夢中になって、相手さえ
見つかればバコバコやってた。
“ 俺はイヤなのに、先生に脅されて
仕方なくやってるんだ ”
なんて、自分への言い訳もできるんだから。
おごってもらう気満々のクセに、レジ前で
払います、って言いながら財布を見せる女子大生
程度に、拒否するポーズだけを見せとけばいいんだ。
次も絶対にやれる。
俺は愉快で叫びだしたい気分だった。
職場に行けばこんなにかわいいペットが
いるなんて……!
これからの学校生活が全く違ったものになる
そんな予感がした。
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