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「このまえ、すっぽかしたよね」 少し明るめの、クセのある髪を自分で撫でながら (すすむ)が言った。 「なんか約束したっけ?」 「約束とは言わないけど…来るって言ったのに 来なかった」 「来るつもりだったけど急用が入ったんだ」 進が言ってるのはこの“パーティー”の事だ。 1、2ヶ月に1度、レンタルハウスで開催される 会員だけの秘密の“パーティー”。 「知らない子増えて、雰囲気変わったよね… なんかつまらなくなってきたなぁ…」 バーカウンターに肘をついて、ばか騒ぎする 男達を、ちょっとうんざりした顔で進は見つめた。 俺も同じように肘をついて、そうだな、と相づちを うった。 ゲイ達が作る、ゲイだけのパーティー。 入会には必ず会員の誰かの紹介が必要で 初めての時は会員の同伴でないと入れない。 ゲイ達が出会いを求めて集る。 進ともここで知り合い、連絡先を交換して 今では外でも時々会うようになった。 プールサイドで何人かが集まって、カラフルな 薬を酒で流し込んでは、さっきからハイになって 人目もはばからずヤりまくっている。 「若い子も増えて、ガラも悪くなった気がしない? 前は薬も禁止されてたのに…最近なあなあに なってきたよね。 前から品は無かったけど、ガラは悪くなかった」 「そうだな…そろそろ潮時かもな…」 「うん、俺このまえナンパされて 結構強引に部屋連れ込まれそうになって ヤバかったよ。たまたまケンちゃんが見つけて くれて、助けてくれたけどさ」 「まじか…無事で良かったなー」 「めっちゃどうでもよさそう…もっと俺に 関心もってよ。 もとはといえば、そうちゃんがすっぽかした のが悪いんだよ。分かってんの? そうちゃんが来ないって分かってたら俺 来なかったんだから」 「そうなの? 悪かったな…」 俺は進の後頭部を捕まえて引き寄せると 軽く頬にキスした。 進は頬を手で撫でて、まだ俺を睨む。 「扱いが雑だな~」 俺は、そんな事ないって、と笑ってごまかした。 思っている以上に進は本気で怒っているらしい 「じゃぁ、部屋いく?」 俺が進の機嫌をとろうと、そう声をかけた時 金に近い茶髪の男が現れて、いきなり進の 尻をグッと掴んだ。 「久しぶりだねぇ」 「あ、この前の…」 進は驚いた顔で、 逃げるように俺の後ろへ隠れた。

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