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「今日は彼氏と一緒なんだ?」
進は露骨に警戒した素振りを見せ、目を反らして
るのに、茶髪のその男は気にもとめず、軽い感じで
俺に向かって話しを続けた。
「ねぇ、スワップしない?」
「はい?」
男は、未成年にすら見える、幼げな見た目の
少年を連れていた。
男の後ろに隠れながら、上目遣いに媚びた目で
俺を見て笑っている。
「コイツ結構かわいいでしょ?」
男は言いながら少年の首を掴んで前に押し出し
そんな扱いを受けても、少年はニコニコと笑い
続けている。
「コイツとその彼と今日だけ交換。どう?」
「今日だけ…」
言いながら進を見ると、絶対に嫌だ、と
顔で訴えてきた。
「悪いけどそんな気分じゃないんだって
他行って」
「連れないね~ 俺すっげ~楽しませてあげる
自信あるのにな~
コイツもお兄さんとヤりたがってるのに」
男の言葉に少年はクスクス笑って、男の腕に
絡み付く。
酔ってるのか、薬でラリってるのか
どちらにしても、男も少年も目が普通ではない。
「俺たちもう帰るとこだったから
そっちはそっちで楽しんで」
そう言って残っていたビールを飲みきって
進の手を握った。
男がしつこく何か言ってくる前に、帰ろっか?と
進に聞くと何度も首を振って頷く。
「じゃぁ またね」
そう言って男の肩を軽く叩き、進の手を引っ張って
その場を離れた。
「そうちゃんカッコいい~」
進が俺の手を強く握り返してきて、肩ごしに
顔を寄せて、嬉しそうに声をひそめて囁いた。
外に出ると進が握っていた手を離して
俺とも少し距離をとって歩き出す。
一歩外に出たら、男同士で手を繋いだりしない。
暗黙のルールだ。
「ごめんね、まだ居たかった?」
進が申し訳なさそうに聞いてきた。
「そうだな…あの子は確かに可愛かったな」
俺の言葉に進が蔑んだような冷ややかな目で
俺を見た。
「あれ、未成年じゃない?
そうちゃんロリコンだったの?」
言われて新田の事が思い浮かんで、ドキッとする。
進はカッコいいって言って損した、とぶつぶつ
文句を言った。
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