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「つきあうねぇ…」
「パーティー行かなくなったら
もっと会えなくなっちゃうじゃん
毎回、なんて言って誘おうかとか
いちいち考えるのも面倒だし、いっそ
つきあっちゃえば楽かなって」
俺たちは今まで特別な相手を作らずに
気が向いた時に会っては、肌を重ねてきた。
なんとなく、そういう気楽な関係を続けて
いくのだろうな…なんて勝手に思っていた。
「あれ?乗り気じゃないね。
結構勇気出して言ったんだけど…」
俺と並んで天井を眺めていた進が、俺の顔を
見るために横向きになって。腕と足を絡めてくる。
「俺の事…別に好きでもなかった?」
「いや、俺も進の事は好きだけど……」
「けど……?」
「……俺、浮気しちゃいそうだなって…」
「………」
進は悲しそうな目で笑った。
「誰か気になってる人いるんだ?」
「いや、違うっ。特定の誰かってことじゃなく
色んな奴とやりたくなるって言うか…」
俺は目の前にちらついた新田を追い払いながら
言った。
「ガキか、いいかげん落ち着けよ」
進があきれて兄貴風を吹かせる。
「それはお前の言うとおりだよ」
「俺だけじゃ満足できない?」
「…うぅ~ん……」
「……あ、そっ! もういい」
進はクルッと背中を向けて寝てしまった。
「え、怒ったの?」
進を後ろから抱いて、揺すりながら聞く。
お互い何も着ていない肌と肌をくっつけて。
「俺、そうちゃんにとって、ちょっとは特別だと
思ってたのに…違ったんだ…」
「特別だよ。特別じゃない奴家に泊めるかよ」
「じゃぁ何で?どうしてダメなの?」
「だからさ、上手く言えないけど…進とはずっと
こんな感じで付き合いたいんだよ。
ケンカ別れとか、気まずくなったりとか…
嫌なんだ」
「………」
「ズルいかもしれないけど…
有限の関係になりたくないんだ」
「……ズルい…」
「うん」
俺が進の耳を口に含んでそっと吸うと
進がピクッと肩を震わせる。
「そんな事言って…俺が誰かの物に
なっちゃっても知らないからね
その時、後悔しても……遅いんだか…ら」
進の弱い、耳の後ろに舌を這わせば
うっとりとため息を吐く。
そんな事言っても進はそんな事しない。
他に男が出来ても、俺が呼べば必ず来る。
俺は根拠のない自信でいっぱいだった。
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