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言葉どうり、新田はあのファミレスにいた。 携帯を時折眺めつつ、ハンバーグを大きめに切って 口に詰めこみ、頬を膨らませてモグモグ…。 俺の姿を見つけると、一瞬動きを止めて ゴックンと飲み込み、それからホッとしたように 笑った。 「煮込みハンバーグ?」 「……はい」 「寒いし、俺も同じのにしようかな」 まるで待ち合わせでもしてたように 俺が新田の前に座ると、新田が自然とメニューを 差し出してくる。 「間宮は?連絡あった?」 「…今日はないですね」 携帯を確認しながら新田が答える。 「あ、そ。 あんまり遅くまで出歩いてたら 補導されるから気を付けろよ 家を出られない理由なんて、いくらでも 作れるだろ」 「……うん…気をつけるよ」 フォークで残りのハンバーグをつつきながら 叱られた小さな子供みたいに、新田がうつ向く。 シャツの上に羽織っているカーディガンが 萌え袖になっていて、食べているときに 邪魔になるのか、時々肘まで捲る。 でも気づくとまた、元の位置に戻っていて また捲る。 そんな動作を繰り返し、袖を気にしながら ハンバーグを食べる姿がなんとも愛らしくて 口許が勝手に緩んでしまう。 「……ついてるぞ」 「え、まじ?」 俺の言葉に、慌てて袖を見るけれど 新田からは手の裏側になって、ソースが付いた 部分を見つけられない。 「そこじゃなくて…」 俺が手を伸ばして、フォークを持ったままの新田の 手を掴んで、そこにあったお手拭きで袖を拭った。 新田の耳が少しずつ紅くなる。 「…俺、子供みたいじゃん」 小さな声で恥ずかしそうにうつ向いたまま つぶやいた。 「子供だろ」 俺の言葉に、新田が黙りこむ。 「………先生って、なに考えてるか分からない」 「そう?」 「怖いのか優しいのか…」 「大人は皆 怖いよ。そう思ってなさい」 半分冗談っぽく諭す。 「……俺の事、嫌いなのか……好きなのか」 ー はい?

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