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「なんだよ」 「だって…あのラブホの夜と別人みたいで…」 腹を抱えてクスクス笑う。 「ずっとあんな感じだったら 完全にヤバイ奴だろ」 「あの時の先生マジで目がヤバかった」 「悪かったって謝っただろ? お前の態度にムカついたんだ…」 「……うん…」 「もう、しないから安心しろ」 俺の言葉に新田がまた笑った。 「…先生、今度っていつ?」 「は?」 「また今度って、さっきからずっと言ってるじゃん 今度っていつなの?」 まっすぐ見つめられて返答に困った。 「嘘つかないでよね」 「まぁ、そのうちな…」 頭を撫でてやると嬉しそうに目を細めた。 先に廊下に出て、誰もいないことを確認してから 新田を外に出す。 見つからないように帰れよ、と、声をかけると うなずいて、軽い足取りで駆けてゆく。 手洗い場に行って、新田の汚したハンカチを 洗った。 ふと匂いを嗅いでみると、青臭い新田の匂いが ツンと鼻について、何だか笑いがこみあげる。 「何やってんだ俺は…」 教え子に手を出し、警察に捕まる… なんて報道を 時々見かける。 最近では同性に、ちょっかい出して2重に恥を さらす者もいる。 そんなのをニュースなどで見る度に バカな奴だと鼻で笑ってきた。 俺はそんな事絶対にしないだろうと。 子供に手を出して浮かれて、バレるようなミスを 犯すなんて。 だが今、俺は、そいつらと同じ所に 足を踏み入れているのかもしれない。 「いや、あれは無理だ。あれは拒めない…」 本当はとんでもないことをやったのに ナゼか俺は罪悪感を感じなかった。 新田が期待以上に俺を求めてくれた事が嬉しくて 見つからずに行為を遂げた後では、愉快でしか なかった。 部屋に戻ると、微かにセックスの匂いがした気が して、窓を全開にして空気を入れかえる。 冬の渇いた風が、火照った体を冷やすのには ちょうど良かった。

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