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俺は偶然こんな掘り出し物を見つけて ラッキーだったのか…。 知ってしまった事でこんな関係になって、 自分の立場を危うくさせて、後悔すべきか…。 「お腹いたい…」 「え?」 「先生のが…残ってるんだ」 「…… 昨日…洗ったろ?」 「あんな奥まで突っ込んで出されたら 洗いきれないよ。 女の子だったら妊娠してるんじゃない?」 「お、お腹 … あっためる?」 動揺してる俺をジロリと睨んで立ち上がると ごちそうさま、と一言 いって、勝手に寝室に 入って行く。 「え?おい?」 あわてて後を追うと、新田がひとり ベッドに潜りこむところだった。 「おいおい、帰るんだろ?」 顔を覗きこむと薄目で俺を見上げる。 「ちょっと寝るだけ。 先生…ナデナデして」 布団の中から手を握られて、弱い力で 引っ張られ、吸い寄せられるみたいに ベッドに滑り込んだ。 後ろから新田のお腹をそっと撫でてやると 静かに ため息を吐く。 「お姫様か」 「だって、先生のせいでしょ?」 「そうだけど…お前が、そのまま挿れてって 言ったんだろ?」 「あ!」 突然ごまかすように新田が大声を上げる。 「おまえって言わないで」 「………ごめん」 「名前で呼んで」 「… (かい)」 「……ん…俺も蒼ちゃんって呼ぼうかな」 「何だよ急に」 「学校でさ、蒼ちゃんって呼んでる子かいると うららやましかったんだ…」 ー 何その殺し文句…。 「好きに呼べよ、でもエッチの時は“先生”な」 「なにソレ、エロい」 櫂がクスクス笑ながら寝返りをうって こちらを向いた。 そっと触れるだけのキスをして、腕を俺の首に 巻き付けて微笑む。 「せんせい、櫂って呼んで」 その目に吸い込まれるように唇を重ねた時 遠くで俺の携帯が鳴った。 直ぐに誰からの着信か分かった。 昨日から何度もメッセージが送られてきて 俺は最初の1回に返信しただけだ。 俺が無視している事が気に入らないのだろう。 「携帯鳴ってない?」 「鳴ってるね」 「出なくていいの?」 「いいよ。 今先生は忙しい」 スウェットを捲り櫂の脂肪のない腹筋を甘く 噛むと、くすぐったがって暴れ、クスクス笑った。

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