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携帯は数回鳴って切れた。 気にならない訳では無かったけれど 櫂と二人きりの世界を楽しみたかったのだ。 この1LDKの小さなマンションで、外の世界から 二人で隠れるように身を潜めて抱き合って。 他の誰も彼も閉め出して。 きっと長くは続かない一時の幸せを噛みしめて いたかったのだ。 俺の腕の中で、学校では見せない表情で 悶え、鳴いて、先程までと同じ子供だとは 思えない妖艶さで俺を興奮させる。 これが最後だ。 きっとこれが最後になる。 だからもう少しだけ…。なんて、昨日から何度 思った事だろう。 「センセ…ッ、、前 やめて」 「なんで?…両方攻められるの、好きだろ?」 「…あっ…ヤ…だって…すぐ出ちゃうもん すぐ、終わりたく…ないの…」 気持ちいいけど、もったいぶれって ホントにエロいなコイツ…。 そんな風に思いながらも櫂の要求に逆らえず 前を刺激するのはやめて、焦らすだけ焦らして やった。 これが最後だ。そう思っていれば 突然この関係を解消する事になっても 平気だろう。 いつ終わりが来てもいい。 そんな関係でいなければ…。

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