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9. 6
「だから、その可愛くなった髪型で俺を
誘惑しようと思ったんじゃないの?」
刈り上げられたばかりで露になった
首筋にキスをする。
櫂の体がフルッと微かに震えた。
「ちょ、やめて…」
押し退けようとする櫂の体を押し倒して
ジタバタもがく手首を掴んで、床に押さえつける。
「可愛いな。櫂。でも心配だな…
実は可愛いって事が皆にばれちゃうな」
「…は?何いってんの?」
「変な奴にひっかかんなよ?」
「別に…!…ャッ…」
薄いシャツの上から櫂の胸の尖端を噛むと
体を縮めて逃れようとする。
それに負けじと体重をかけて押さえこみ
櫂のベルトを外そうと応戦した。
「待って、待って!分かったから
先にシャワーさせてっ」
「ダメ」
「蒼佑…痛いっ」
手首を絞めすぎて、櫂が顔を歪めた。
「櫂が暴れるからだろ?」
「もう暴れないから、離して…」
軽く手を緩めると櫂がホッと息を吐いて
体を起こした。
「……蒼佑…あのね…。
話しておきたい事があるんだけど…」
「何?」
櫂の頬や、耳、首筋にキスを落とす。
「あの、あのね…」
俺の胸を両手で押して、少し離れる。
「何よ?」
「…うん…あのね…」
言いながら着ていたシャツのボタンを
自らはずし始める。
なんだ 結局自分から脱ぐのか、と、ニヤニヤ
しながらそれを眺めた。
「これ…別に悪い事したわけじゃないよ
ちょっとふざけてて…」
櫂が自分の鎖骨の上辺りを指差す。
それを見て俺は眉間にシワを寄せた。
「それ……」
ソコにあったのは明らかにキスマークだった。
「ウリとかもしてないし…
これは間宮先輩達が酔っぱらって、ふざけて
つけられたの」
「……へぇ…」
別にお前がどこの誰とナニしようが
どうでもいい。
そんな態度をとりたかったけど…無理だった。
顔が全然笑えない。
「昨日先輩っちで新年会してて、7、8人で
朝まで飲み明かして…酔っ払った先輩達が
誰が1番キスマークが上手いかって
盛り上がって1年の俺達が餌食になっただけ」
「…しょーもない遊び…」
「ね!
だから、本当に!誰かとエッチとか
したわけじゃないよ!?」
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