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「は? なんでっ……?」
驚きすぎて舌がもつれる。
何で居るんだ?
いや、何でウチに入れたんだ?
「…………だ れ…?」
櫂も声が出てない。
進が物音と声に気づいて、状況も分からないまま
少しだけ頭を上げて櫂の方を見て、驚いて
俺を振り返る。
櫂は微かに震えながら立ちつくす。
俺がベッドから出ようと体を起こすと、それに
反応したように櫂が背を向けて部屋を飛び出した。
「櫂っ ちょっと待てっ!」
玄関で追い付いて腕を掴むと、凄い勢いで
振り払われ
そのまま目も合わせず、逃げるように玄関を
出て行った。
俺はドアに手をかけて、追おうとして動けなくなる。
思考が追い付かなかったのだ。
ー ちょっと待て…何だこの状況……!?
櫂はオートロックをどうやって解除した?
というか…それはおいといて…これは…
浮気現場を目撃…的な?
ド修羅場って感じ?
追っていって俺は櫂に何て言うんだ?
正直に?そうだ正直にありのまま話せばいい。
今まではともかく、昨晩俺は、傷ついた友人を
泊めただけだ。
「…そうちゃん…大丈夫?」
進が部屋の前から、玄関でフリーズする
俺の背中に声をかけてきた。
「……さぁ? 怒ってたね」
俺は平静を装って、無理に笑い部屋に戻った。
「……今のって…新しい恋人?」
そわそわ落ち着かないまま着替えだす俺を
じっと見つめ進が聞いてくる。
俺は応えずに、キョロキョロ携帯を探した。
「………ずいぶん若く見えたけど…まさか…」
俺は忙しなく動くのをやめて、進を見た。
「……まさか生徒?」
しばらく応えられず進と見つめあった。
「……うん」
進が眉を寄せて絶句した。
お互い言葉が出てこない。
何も…何から整理したらいいのやら…。
携帯を見つけて開いて見ると、昨日の夜に
櫂から何度も着信があった。
俺は気づかずに進と一緒に寝てしまったんだ。
ー やってしまった…。
俺は深くため息をついてベッドに倒れた。
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