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17. 数え直して ※

少し広めのビジネスホテルくらいの部屋に デカイ円形のベッドが置かれている。 いかにもなラブホに入った。 「お前、俺が怖くないの?」 蒼佑が羽織ってたジャケットを脱ぎながら 聞いてくる。 「………どうして?」 「どうしてって、、昔……結構…… その……乱暴しちゃっただろ…?」 「ああ、、」 「最初も最後も…ひどかったよな」 蒼佑が自嘲するように笑った。 俺はなんて返したらいいか分からず 蒼佑の胸に顔を擦り付けて、ギュッと背中に 腕を巻き付けた。 「……酷くされても平気…」 蒼介は抱いてくれなかった。 遠慮がちに俺の肩に手を置いて、優しく 押し返される。 「汗かいてるから…シャワー浴びてくる」 それから俺に背を向けて、さっさとバスルームに 向かった。 蒼佑の手から緊張が伝わってきた。 まるで初めてエッチするみたいにぎこちない。 蒼佑の緊張が俺にまで伝わって、心臓がトクトク 速くなって、ベッドに仰向けに倒れこんで 胸を押さえる。 我ながら…なんて大胆な事をしているんだ…。 嫌がってる相手をホテルに連れ込むなんて…。 蒼佑のシャワーの音を聞いてると ますます動悸が激しくなって、喉がひっつくような 息苦しさを感じた。 リュックに入れていたペットボトルを出して グイグイ飲んで、深呼吸をする。 この息苦しさは酒のせいか…蒼佑のせいか…。 緊張で細かく、手まで震えてる。 俺は思いきって立ち上がりバスルームに ズカズカのりこんだ。 「一緒に入るっ!」 「……ぉお、オイ!」 蒼佑は、突然乗り込んできた俺に動揺しつつも 追い出そうとはしなかった。 「もう終わるからっ、ほら」 言いながら俺に、出しっぱなしのシャワーを 手渡してくる。 「…出ちゃうの?」 「っふ、なんだよそれ 一人で入れるだろ?」 一瞬だけ振り返って笑ったけど 俺の返事を待たずバスルームを出ていってしまった。

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