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「もういい、分かった! 蒼佑はわざと…そんな言わなくてもいいこと 言って俺を諦めさせたいだけでしょ!? そんなの…全然平気だからっ!」 膝を抱えて、顔を膝にくっつけて丸くなった。 「櫂…ごめん…」 蒼佑が躊躇いながら、俺の肩に手をおいた。 ブンブン首を振る俺の肩を撫でてもう一度 俺の名前を呼ぶ。 「櫂 …俺… 婚活してるんだ」 ー … へ ……… ? 「前に話した事なかったっけ? いずれは普通に結婚して、子供も作れそうな 気がするって…。 俺もう30だし…そろそろ親も安心させたくて」 顔を上げて蒼佑を見た。 蒼佑は困ったような顔で俺を見つめ返す。 「……だから…ごめん…」 「ウソだ…」 「嘘じゃないよ…悩んだけど、お前に会ったのも 過去のこと全部 精算してスッキリしたかったから だからだよ」 ー 何これ…頭痛い…何も考えられない 「……だから会うのは本当にこれが最後 もう連絡してくるな。 今度してきたら携帯変える」 「やだ、、やだよ蒼佑っ」 「櫂、恋愛とは違ってもお前のこと可愛かったよ 幸せになってほしいと思ってる。 別れてもお前が元気で頑張ってる姿が見れて 安心した。 だから大丈夫だよ。 お前は俺なんて居なくても大丈夫」 「………勝手なこと言わないでっ……!」 取り乱す俺の口を蒼佑の手がふさいだ。 「櫂、笑って終わりにするんだよ お互い何年か経ったとき、笑って話せるように… 前みたいに悲しい別れ方したくないだろ?」 目から溢れる涙を、蒼佑が親指で拭いながら 手を離した。 蒼佑はもう俺から目を反らさなかった。 真っ直ぐ俺の目を見て、俺を諭すように少し笑って 「大丈夫…俺の事なんてすぐ忘れるよ」 「……蒼佑も?」 「ん?」 「蒼佑もすぐ俺のこと、忘れられるの? 俺のことなんて過去にして、、本当に普通の 結婚なんてできるの?」 蒼佑は笑って俺の頭を撫でた。 「するさ。休みの度に鬼嫁にせっつかれて 子供連れて公園とか行く… 普通のつまんない 親父になってさ…。 そしたら櫂は、俺のことなんて見向きもしなく なるんだよ」

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