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20. 3
「ルミ…やっぱりさ…」
服を着ながら、大きめの声で ベッドにいるルミに
話しかけたら
「何?」
声と共にルミがヒョコっと顔を見せ、そのまま
脱衣室に入ってくる。
「え、ちょっ……まだ着てないっ…」
「何照れてんの、ここまで来て」
笑いながら、ついでとばかりに バサバサと
自分の服を脱ぎ出す。
「でっ! …もう出るからっ待って!」
俺はルミから目を反らして、タオルとパンツ
1枚の状態で転がるように脱衣室を出た。
おかげで、やっぱり帰ろう、と、言えなかった。
ルミは本当に俺とそんな関係になって
後悔しないんだろうか…?
俺は…ルミの事を友達としか思ってないのに…。
しばらくしてドライヤーの音が聞こえてきて
ドキドキが増していく。
ガラッとドアが開いてタオルを体に纏って
ルミが出てきた。
「はーさっぱりした~」
言いながら、買ってきたペットボトルの
お茶を持って、ベッドに足を伸ばして座る俺の
横にくっついて座る。
「櫂、意外と筋肉質」
プニッと俺の脇腹をつまむ。
「あ、ちょっとヤメテ」
「なによ、いいじゃん。
これからもっと恥ずかしいことするんでしょ?」
「ルミ…それ、中何も着てないの?」
「うん。だってすぐ脱ぐし。
私夏は家で裸なんだ~。
裸で出てきても良かったんだけど
櫂がパニクると思って」
俺の目を見てニッと笑う。
「どう?ドキドキする?」
俺の手をそっと握って指先で少し撫でた。
「ルミ、俺…ルミの事……友達としか
思えないのに…こんなことしていいのかな?」
俺のシドロモドロにルミが、ぶっと吹き出した。
「櫂、何言ってんの。誘ったの私だし
私はヤれてもヤれなくても、朝まで一緒に
寝てくれたらそれでいいんだよ」
ルミは本当にいつもと変わらない。
明るくて、かわいい、妹みたいなルミだ。
「ん…」
ルミが顎をつきだして、俺の唇を見る。
俺はその唇にそっとキスをした。
柔らかい。
いつも蒼佑の唇が、男なのにやわらかくて
ふっくらしてるな… なんて思ってたけど
それとも全然違う。
ルミの舌がチョロチョロ俺の唇を舐めて
俺も同じように舌を追った。
フッと笑ってルミが離れた。
「どう?嫌じゃない?」
「…うん…全然」
ルミが枕元のスイッチで照明を少し落とした。
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