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ハーブティー2
今日は午後の仕事を終え、この後は夕方まで予定がない。
引きこもりとして、こういう日は家でごろごろに限るよね。
そう思ってソファーにダイブ。
ソファーだけは拘ったから、ふかふかで気持ちがいい。
ナンバーワンお気に入りだ。
今日は天気もいいし、日向ぼっこ日和。
体がポカポカする中で、おれはすぐに夢の中へと落ちていった。
……と、そんなこんなで寝ていたのだけれど、今現在は携帯から発せられる音で目が覚め、震えるそれをボーッと眺めている。
あ。眺めてるだけじゃダメだ。
ハッとそう思い至って急いで眼鏡をかける。
これ目覚まし?メール?
あ、電話か。電話の着信だ。
機械音痴だからよく分からなくて、ノロノロと携帯を取り液晶を眺める。
えーっと…、この赤いボタンを押せばいいのかな?
いや、待った。
それは前やってマネージャーの武田さんに怒られた。
確かその隣の緑のボタンだ。
そうまだ覚醒しきらない頭で考え、緑のボタンを押し、耳にあてる。
「はい、もしもし…」
『千里。俺だ』
「……おれ?…おれおれさぎ?あの、自分には孫はいなくてですね…」
『違う。幸だ。片岡幸』
「……へ?」
そこで寝ぼけていた意識が一気に覚醒する。
幸さん?なんで幸さん?
『今どこにいる』
「え、い、家です…」
『これから予定は?』
「ゆ、夕方からありますけど…」
『ならまだ時間があるな。じゃあ家に入れてくれ。後10秒ほどで着く』
「…はい?」
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