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愛しい人7
「千里…っ」
「っ…んぁっ、はる、と、さん…っ」
離された唇が今度は口筋に押し付けられる。
体が甘い痺れに震えた。
悠斗さんの両手が、おれの体のラインをなぞるように動かされる。
その手が制服のシャツの中に入ってきて、無意識に体がピクピクと反応した。
「ぁあっ、ぁ、んん…っ」
「…千里」
そのまま体を横抱きにされて、そっとベッドに下ろされる。
唇を塞がれ、ゆっくりと体を倒された。
仰向けになったおれは、縋り付くように悠斗さんの首に腕を回す。
名残惜しそうに離される唇。
至近距離でこちらを見下ろす悠斗さんは、今まで見たことがないくらいに熱を帯びた瞳をしていた。
「千里…。このまま、続けても、いい…?」
「…うん。はるとさん…、きて…」
「…っ」
また悠斗さんが、泣きそうな顔をする。
その表情に、おれの胸は痛いほど締め付けられた。
「あ、あ、はるっ、はると、さん…っ」
「ち、さと…っ、千里…!」
何度も腰を打ち付けられ、頭が真っ白になりそうなる。
その度に快感が膨れ上がって、千里は大きく体をしならせた。
熱い。
体が溶けてしまいそうだ。
彼の全てを受け入れたくて、必死に応え続ける。
悠斗さん。
あなたの為だったら、おれはなんでもできる。
「はる、とさんっ…。す、きぃ…っ」
「っ、…俺も、千里が好きだ…っ」
ポトリと頬に落ちた温かい滴。
目を開けると、愛しい人の顔がすぐそこにある。
求めるようにキスをして、鼻を擦り合わせながら2人で笑い合う。
「悠斗さん。今、幸せ…?」
「……あぁ。これ以上ないほどに」
ありがとう。
そう言って悠斗さんはくしゃりと笑う。
そしておれたちは再び、求め合うように唇を重ねた。
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