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残滓2
次の日、幸さんは早くから仕事だったようですぐに家を出て行った。
結局まともに話し合いはできなかったけれど、打ち明けられたことで、どこかスッキリしている自分がいる。
今日の予定は昼からだ。
ちょっと早いけど、支度をし始めよう。
そう考え台所は向かおうとした時
携帯の着信音が聞こえた。
「!」
一度動きを止め、ゆっくりと携帯を手に取る。
そこには一通のメール。
──須藤さんだ…。
簡素な文面には、空いている日程と指定の場所。
あの時には何度もした彼とのやりとり。
ドクドクと、心臓の音が聞こえる。
苦しい。うまく、息ができな……
──……千里。
「!」
弾かれたように顔を上げる。
今、自分の名を呼んだのは…。
悠斗さん…?それとも……。
「……ダメだ。しっかり、しないと…」
一度目を閉じ、大きく深呼吸をする。
「……断ろう」
ちゃんと会って、これで終わりにするんだ。
もう、彼と会うのもこれっきり。これが最後。
再び深呼吸をして、おれは連絡を返した。
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