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さよなら2

「あの、話って?」 「ああ、少しな」 廊下の自動販売機で飲み物を買い、近くにあったベンチに腰掛ける。 買った紅茶を一飲みして間瀬さんに切り出すと、彼は一度間を開けてから口を開いた。 「…これは、俺のただのお節介だ。軽く聞き流してくれればいい」 「はぁ…」 よく分からずに返事を返すと、間瀬さんはふっと微笑んで前を向いた。 「俺さ、小さい頃からずっと、幼馴染の女の子に恋してたんだ」 「え?」 唐突な告白に、千里はきょとんとする。 そんな中、樹は前を向いたまま、静かに語り続ける。 「でもいつまで経っても勇気が出なくて、想いを伝えられなかった」 言う機会は何度もあったのだろう。 それでも「好き」の2文字がどうしても言えず、気付けば互いに成長し、大人になって、 とうとう幼馴染は違う男と結婚した。 幸せそうな彼女の隣には、自分じゃない別の人間が立ってた。 その光景を俺はただ外野で眺めるだけ。 どう受け止めていいのかすら分からずにいた。 「その後少しして、幼馴染と会う機会があってな。同窓会ってやつ。その時、あいつ言ったんだよ。『実はずっと、樹のことが好きだったんだ』って」 「え…」 「自業自得だよなー。ビビって何も言えずに他の男に取られちゃって」 苦笑いを浮かべる間瀬さん。 その瞳には、見覚えのあるものを感じた。 それはきっと深い後悔だ。 見覚えがあるのは、きっと自分も同じだから。

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