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踏み出す5

「ちょっとなんかさ…、いろいろと凄いことを聞いちゃった気がするんだけど…?」 「そうですよ!俺、あのおっさんには雪永さんが付き纏われているとしか聞いていなかったのに!」 「この度は本当に申し訳ありませんデシタ…」 困惑する間瀬さんと駿くんに対し、おれはただただ謝罪することしかできなかった。 幸さんがこんなおれに手を差し伸べてくれて、やっとその手を取ることができてから おれは更に間瀬さんと駿くんにも協力してもらうことになった。 おれと幸さんだと、この状況を打破するいい案がまるで思いつかなかったのだ。 幸さんはリスクあり過ぎな恐ろしい提案ばかりするし、 おれもおれで間髪置かずに「却下」と幸さんに言われてしまうことしか考えつかなかった。 それで渋るおれを引きずって間瀬さんに相談に行って。 それに強引に駿くんが加わると言ってきて…。 気づけば3人も巻き込んでしまい、ほんとに頭が上がらない思いだ。 何やら恐ろしい計画を組み立てる間瀬さんたちに感謝より先に恐怖を感じてしまったのは許して欲しいです…。 だって盗撮とか盗聴とか普通に話してるんだもん。 しかもおれと幸さんが喧嘩して、最後には見捨てられてしまう演技をしろだなんて…。 その後の縋る演技も正直気が気じゃなかった。 いくら本業だと言っても、人を騙す演技をするだなんて心臓に悪いよ…。 まぁおれは一回幸さんに腹痛の演技で騙されてるけど…。

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