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踏み出す7

それから幸さんの家に上がらせてもらって、おれはソファーで座ったまま動けなくなっていた。 一緒にいたいと言ったものの、他のことは何も考えていなかったのだ。 自分の考えのなさに呆れてしまう。 なんか、こんなくっ付いて来ちゃって、すごい恥ずかしいな…。 でも、それでも一緒にいたかった。 1人になりたくなかったのもある。 でもなにより、幸さんと、離れたくないと思ってしまった。 「千里?」 「!」 声がして、パッと顔を上げるとお風呂上がりの幸さんがいた。 あれから2人とも疲れているし、早めにお風呂に入ることになって、幸さんに先に入ってもらったのだ。 「風呂、お前も入って来い」 「っ、あ、は、はいっ」 そそくさと彼と入れ替わり、まだ入ったばかりで温かいお風呂に落ち着かなくなる。 幸さん家のお風呂…、なんかドキドキするなぁ。 幸さんの匂いだ…。 うひゃー、シャンプー使わせてもらっちゃってるよ。 そんなこんなワタワタしながらお風呂を済ませて、洗面所に出た。  取り敢えず一息つき、体を拭こうとする。 「あ」 タオル…。幸さんの、タオル…。 「千里」 「はぃぃい!?」 その時リビングから幸さんの声がして飛び上がる。 それに対して彼は気にする風もなく続けた。 「タオルは勝手にそこにあるやつ使ってくれ。着替えは一応置いといた。俺ので悪いけどな」 「!」 おれの服は…、洗濯機の中だった…。

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