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だけど高校二年になったばかりのある日、何が原因だったかは確かではないが、母が父親の僕にさせている行為に気が付き、離婚した。
その件は裁判沙汰になり、父親は塀の中へ入ることになった。
親権はもちろん母親。母の実家へと戻り、僕は新しい生活を始めた。
母親はあんな行為をせずとも僕を愛してくれた。
毎日おはようと声をかけてくれて、温かいご飯を作ってくれる。
久々に会った祖父母たちも僕によくしてくれた。
転入した学校では、新しい友達ができた。
初めて過ごした幸せな時間。
もうあんなことをしなくても僕は幸せになれる。
二度とそんなことはしない。そう僕は誓った。
なのに…なのに‥‥
「遥輝君。本当に挿れないのかい? 私は君にもちゃんと気持ちよくなってほしいんだけど」
「大丈夫。僕、一人じゃ寝れないだけだから。お兄さんが傍にいてくれればいいよ。まだ挿れるのは怖いから、今日は優しくしてほしいな」
僕は自由になったのに、まだ同じような行為を続けてしまっていた。
母親たちとの幸せな日々を過ごしていく中、毎晩あの時の夢を見るようになった。
僕の体はあさましかった。嫌なのに、体が疼いて仕方がない。
僕はその時にはもう、完全にセックス依存症になっていた。
いや、完全に依存していたわけではないと思う。
僕はあの時とは違って、その行為に嫌悪を抱き、恐れていたからだ。
週に一回。名前も知らない男たちとセックスをする。
条件は、僕の体に挿れないこと。それ以外ならなんだってできた。
同じ人とやるのが怖かったから、関係は一度きり。
高校を卒業するころになっても、その行為は終わらなかった。
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