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風呂から出ると、どこかのコンビニで買ってきたのか、缶ビールと美味しいとそこそこ評判のいいワインがテーブルの上に何本か置かれていた。
彼は既に1つ缶を開けており、風呂上がりだからか、酔っているのか、ほんのり頬が赤くなっていた。
「僕にも1杯ちょうだい。ちょうど喉が渇いてたんだ」
「ん」
缶ビールを1本開けて、僕に手渡してくれた。
彼が座っているソファーの隣に腰掛けて、1口飲む。
その時、急に彼が僕の手を掴んできた。
「!」
握られたなんてレベルじゃなくて、文字通り、力強く掴まれた。
「ゆ、裕さん? 」
彼の顔を覗き込むと、やっぱり頬が赤い。
やっぱり酔っているのだろうか。
飲み屋でも、僕が声をかける前から結構飲んでいたみたいだったし、あの後も何本か飲んでいたから……。
今日は無理かもな。
こんなに酔っているなら、まず勃たないんじゃないか?
「裕さん! 今日はやめときましょうか」
こくこくと頭を振られ、彼をベッドに連れていくために、腕を自分の肩にかけた。
その時、自分の体がふわっと浮き上がった。
「ちょ、ちょっと裕さん! 下ろしてください! 」
急に肩に担がれて、足をバタバタさせる。
「大丈夫。痛くしないから、ベッド、行こうか」
そう言って、彼にベッドへ放り投げられる。
「っ、痛……」
流石に投げ下ろすのはどうかと抗議しようとしたら、そのまま押し倒された。
「ゆ、裕さん……」
彼の顔が近づいてくる。
さっきのほんのり酔って甘い顔なんかじゃない。
欲情した、男の顔。
「キス、してもいい? 」
僕が何かを答える前に彼の口が僕に重なってきた。
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