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7 甘みと痛み

甘く蕩けるような、触れるだけのキス。 あまりに急にキスされて、目を閉じるタイミングを逃してしまった。 手を握り、髪を撫でられる。 目眩がするようなキスの中、じっと彼の顔を見ていたら、彼が目を開けた。 目が合い、ドキッとする。 今まで見た事のないような、優しい瞳。 心の中全てを見透かされているようで、頬が熱くなって、恥ずかしくて目を閉じた。 唇がそっと離れて、頬や髪にキスを落とされながら、彼のシャツのボタンを外す。 その間、何度も彼と目が合い、顔がますます熱くなった。 「照れてるの?」 別に、照れてるわけじゃない。そうじゃないけど……。 あまりにもキザなことをするから、どう反応していいのか、分からないだけで……。 思わず、顔を背ける。 気が付くと、自分のシャツのボタンと下のズボンが脱がされていた。 いつのまに!? 「他の人と、こんなことしたこと、ある? 」 心臓の音が、一瞬、止まった気がした。 そして、嫌な音を立てて、鼓動がはやくなる。 なんで……。 どうして、そんなこと聞くんだよ。 そりゃもう、沢山。数え切れないくらいに。 最初は自分本位じゃなかった。 けど、今は? 挿れてはないけど、毎晩色んな人を相手にして。 喘いで、啼いて、嘘をついて……。 そんな僕のことを、そのまま話したらどうなる? 幻滅する? それとも……。 そんなの、想像しなくたって分かってる。 だったら……。 「ううん。恥ずかしながら、祐さんが初めて」 その言葉に、裕さんは満足気に笑った。 「そっか。じゃあ、今日は優しく、可愛がってあげる」 慣れていたはずの嘘に、僕は、少しだけ、胸が苦しくなった。

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