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履歴書(祈織)

とりあえず 希望の会社に応募だけして 面接とか連絡来る前に履歴書だけでもやってみよう、と着々と転職の準備をしていた もうちょいゆっくり決めようかとも思ったけど 自分の事は自分が1番よくわかっている きっと今決めなかったら このままだらけて貯金無くなるまでなんもしないって だから家で散々履歴書に書く内容を考えていたけどどうも行き詰まってしまって とりあえず外に出て 甘いもの、とフレンチトーストを食べてきたのだ 久々につむと、というか人間と話したし まだ履歴書の書けないところあるけど ちょっとだけ行き詰まってたのもマシになって そこでようやく自分が今結構碌でもないことに気づいた 日付の感覚も、時間の感覚も無くて ぼーっと、テレビ見たり ご飯もあんまりちゃんと食べてなかったりする この前までハウスキーパーのみなちゃんが来ていたけどなにやら家の方が忙しいらしく、 暫くお休みをするようで 代わりの人って言われたけど 今更みなちゃん以外の人が来ると緊張しそうだから断ってしまった そのせいで部屋も荒れたし 前まで火曜日と土曜日はみなちゃんくる日、と記憶していたけどそれも無くなったから 曜日の感覚も何日経ったのかもよく分からなくなった 寝たい時に寝て、 腹減ったら食って、 あとは転職サイトみたりテレビみたり 前まではほぼ毎日欠かさず、というかいつの間にかやっていたオナニーも、 無職だしな… と思ってちょっと自粛してる だから おれのこと好きで好きでたまらないって顔しながら話しかけてくるつむぎを見ていたら 自尊心的な承認欲求とか自己肯定感的なものが擽られて 無意識につむぎ誘って… やっべえ、おれ、つむぎのこと食おうとしてるって途中で気付いて事なきを得たけど おれって以外に性欲つよいんだなーと気付いた なんか今までは普通に日課でオナニーしたり 気付いたら誰かにいじられたりして 溜まったりしたことあんまり無かったんだけど まぁ、仕事忙しい時とかはたまに抜けない時あったけど あー、おれ溜まってんだなってようやく実感した おれ溜まってるとダメなんだなー だから、あんなほぼ毎日オナニーしてたんだな まぁ、今はオナニーするのも申し訳ないニートなんだけど、とテレビをつけた所で 頭を振って履歴書を広げた 書ける所だけでも頑張って書かなきゃ 面接あるかわかんないけど 履歴書は使うだろうし、と 志望動機以外のところは頑張って埋めていく 資格とか、学歴とか そういうのは問題なく書けるけど 問題は 自己PRの欄だった おれ、いい所とか無いんだけど。 よく人から褒められるところなんて 顔ぐらいだし そんな顔のこと褒められたって 自分の顔なんて見慣れてるから良いともなんとも思わないし、絶対変な顔してる時とかあるし 寝起きとかたぶんブスだし こんな歳になるまでまともに1人で生きて来れないような人間だし そんな時だった つむから電話がかかってきて 少し迷って応答する 『もしもし』 …… つむがこれから家に来ることになって 思わずにやけてしまう おれって、 人に頼られることあるんだ、とまた 自尊心だか自己肯定感だか承認欲求だかよくわかんないけど そこら辺が突っつかれた つむといると、気が楽 おれのこと 好きって全身で言ってくるから おれが、自分が、ちゃんとした人間みたいに見えるから そこまで考えて頭を振った そんなん、考えてないでさっさと履歴書書いて さっさとまともな人間になろ はやく、ちゃんとしなきゃ

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