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基準(つむぎ)

『祈織さん楽しそうだったねー』 「そうだった?あの人あんまり感情顔に出さないから」 『そう?楽しそうだったよ』 「そう、それなら良かったけど」 じゃあおれも今日は帰ろう、と 着替えに向かうが 『あ、』 着替える前にトイレ行こーと トイレに向かう ここのトイレはお客さんと一緒のトイレを使う事になっていて、 空いてるかな、とトイレの前まで行くが 『あれ』 使用中だったから着替えてからにしよう、と 1度更衣室に戻る お着替えしたらコンビニでご飯買って帰ろ、と考えながらお着替えしていたら モジモジと脚が揺れてしまう んん、結構おしっこしたくなってた そう言えばコーヒーいっぱい飲んだしな、 トイレ空いたかな、と まだ上しか着替えてないけど ひょこ、とトイレの方を覗き込むが 『あ、』 違うお客さんが入れ替わりで入ってしまい もじ、と自分の中心を抑える 「紬くん?どうかした?」 『え、っと、大丈夫、』 と、こちらを覗いているのに気付いたマスターが声をかけてくれるけど おしっこしたい、と言えなくて また裏に引っ込んで 早く着替えちゃお、と制服のズボンを脱ぐと 結構おしっこが限界で 下着姿のまま、ぎゅっと自分の中心を握って座り込む 『んん、』 どうしよ、動けない おしっこしたい、 「お客さん引いたから僕も休憩しようかなー…って紬くん、どうしたの?」 『んん、おしっこ、漏れそう』 「え?なんで?」 『えっと、トイレ、忘れてて、お客さん入ってて、』 「ええ?そんなことってあるの?ほら、急いで行っといでよ。今お客さん帰ったからそのままでいいよ」 と、腕を引かれるが 『っあ、』 「え?」 『んん、でる、』 「ええ?なんで?そんなに?」 じゅわ、と手の中があったかくなる んん、ちびっちゃった 『といれ、』 漏らす訳にはいかない、と 必死に1歩ずつ脚を進めるけど その間も手のなかはじわじわとあったかくなる どうにかトイレについて ドアなんて閉める余裕なくて 必死にパンツを下ろすと 手を離した瞬間じょわじょわっと一気に出てきた パンツ結構濡れたけど トイレにちょぽちょぽっと水が落ちる音が響き渡って はぁあ、と息を吐く ようやく恥ずかしいことに気付いて そっとドアを閉めて残りのおしっこを全部トイレに出す 『んん、パンツ濡れた、』 と、ペーパーでちょっと拭いてみるけど パンツはびしょ濡れで 手を洗ってこっそり更衣室に戻る うわぁ、ズボン履かないで来ちゃったからびしょ濡れのパンツ丸見えだし…… 「紬くん間に合った?……って間に合ってないね?」 『間に合いましたって!ほとんどトイレにできたし!』 「いや、間に合ったの基準ゆるいよね?パンツ濡らしてる大人初めて見た」 と、言われて そう言えばおれおもらし見られる仕事してたからだいぶ基準緩いし祈織さんもおもらしするからそんな気にしてなかったけど、 他の人からしたらこれってもうおもらしレベルでめちゃくちゃ恥ずかしいって気付く 『あ、えっと、』 どうしよ、気付いたらめっちゃ恥ずかしい、と 急いでズボンを履こうとしたけど マスターがおれの手を掴んで止める 『え?』 「ズボン濡れちゃうよ?パンツのお着替えとか…ってもってないか?」 『えっと、もってない』 「そっか、じゃあちょっと待ってて。コンビニで買ってくるから」 『え?そんな』 「びしょ濡れのパンツのまま帰るの恥ずかしいでしょ?」 『えっと、うん』 「うん、ちょっと待っててね。あ、待ってる間奥にタオルあるから使っていいよ。拭いたり」 『あ、ありがとうございます、』 と、マスターは準備中の札にして 鍵かけて出ていってしまった んんん、めちゃくちゃ恥ずかしい めちゃくちゃ恥ずかしいところ見られたー! もはやほぼおもらし見られてパンツ買ってきてもらうとかめちゃくちゃ羞恥ぷれい 今度なんかお礼とかお詫びしなきゃ…… 恥ずかしい、と1度トイレにいって 腰にタオルを巻き 濡れてしまった下着を脱いで ちんこをペーパーで拭いたりしながら待つけど なんかパンツ履いて無いと 落ち着かない、と座っててももぞもぞしてしまう その時 カランカラン、とドアが開く音がしてビクリとしてしまう しかし、すぐに 「紬くんお待たせー」 と、マスターの声がして ふぅ、と息を吐いた 『ま、マスター』 「はい、パンツ。ボクサーで良かったよね?」 『うん、ありがとうございます』 と、受け取ってパッケージを開けて 黒っぽいパンツに脚を通す 『ふぅう、』 「今度からちゃんと忘れずにトイレ行きなよー?」 『き、気をつけます。おれ、トイレちょっと我慢すんの苦手で』 「そうなんだ、おもらししないようにね」 『うん、気をつけます』 「うん、じゃあ紬くん入るの明後日だよね。気をつけて帰ってね。あ、パンツ持って帰るの袋いる?」 と、今しがたおれのパンツを買ってきてくれたコンビニ袋をくれて それに汚してしまったパンツを入れて口を縛ってカバンの中にしまう 『マスター、ありがとうございます。また明後日です。おつかれさまですー』 と、予定よりちょっと帰宅が遅くなってしまった というか……… めちゃくちゃ恥ずかしかったぁあ、 気をつけよ、

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