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応急処置(柳瀬)
おしっこチビったスーツってどうやってキレイにします?
とりあえず下のコンビニに一応替えのパンツを買いに行って、
慣れていそうな社長にスーツの処理方法を聞いて
熱めのお湯で濡らしたタオルでトントンと汚した所を拭いて染み抜きをして
消臭剤をかけてからドライヤーを当てて乾かしていた
いや、まさかあきらくんがおもらししちゃうとは思わなかった
シバくんならまだしも
まぁあきらくんも元キャストだから
そんなに膀胱つよいほうじゃないだろうけど
キャストやってたのは10年くらい前の話だし
あきらくんがおもらししたのなんて社員になってからは見てなかった
まぁ…結構ハイペースで飲んでたから酔っぱらっちゃったのかな?
「シャワー浴びてきました」
「うん、おかえり」
ドライヤーをブォーと当てながら
シャワーから出てきて腰にタオルだけ巻いているあきらくんに言う
「…何してんすか?」
「スーツ、これしか持ってないよね?シミにならないように応急処置。返ったらちゃんとクリーニング出しなよ」
よし、そろそろ乾いたかな?
シミにもなって無さそうだし
「え、オレが、おしっこ漏らしちゃったスーツ、」
と、あきらくんは顔を赤くしながら言って
俺の手からスーツをひったくる
「え?」
「す、すみません…柳瀬さん」
「いいよ、これくらい大丈夫。あとパンツは持ってきてると思うけど一応替え買ってきたからね」
恥ずかしかったのかな
いや、大人だったら恥ずかしいか
そういう仕事で慣れているから多少麻痺はしているが確かに俺だったら寝込むぐらい恥ずかしいかも
おしっこ漏らしてそのスーツ、上司に処理してもらうって
「それより腹減ったからなんか買ってくるけど何食いたい?」
「どこ買いに行くんすか?」
「まぁ時間も時間だし下のコンビニかな」
「オレも選びに行きます」
「じゃあ早く服きて行こう」
「はい、あ、あの、」
「なに?どうかした?」
「おもらししちゃったパンツ、洗ったんで干しててもいいですか?びちょびちょだと片付けられないし」
「あー、そうだよね。全然いいよ」
と、頷くと
あきらくんは顔を真っ赤にしながら
ハンガーを出して浴室の隅のところに干してからすぐに服を着始めた
あきらくんでもやっぱりおもらしするのって恥ずかしいのかな?
キャストやってたんだし俺からしてみたら今さら感はある
それにあきらくんってなんか楽しんでおもらししてる感じだし恥ずかしいとか思わないと思ってた
「着替えました」
「よし、じゃあ行こうか」
あきらくん部屋着持ってきてたんだ
またスーツとか着ていくのかなと思っていたけどなんだかラフな格好で楽そう
「オレ、なんだか腹ぺこです」
「あきらくん新幹線で駅弁食べてたじゃん」
「柳瀬さんの口から駅弁って聞けて嬉しいです」
「君は何言ってるの?」
「間違えました、いや、なんでもないっす」
行きましょー、とコンビニに行くと
あきらくんは何本かお酒を籠に入れ
適当なおつまみとカップ麺、レジ横の揚物を買っていた
こんな時間によく食べる
「あきらくんそんなお酒大丈夫?」
「あ、これ柳瀬さんの分もありますから安心してくださいね!」
「いや、そういうことじゃなくて。さっき酔っちゃったみたいだから」
「あ、お風呂入ったしさっきおしっこしたんですっかり抜けちゃいました」
「あ…そう」
部屋に戻って俺は買ってきたおにぎりをペリペリ剥いているとあきらくんがお酒をくれたからありがたくそれをいただく
「柳瀬さんっていつも何食ってんすか?」
「えー、適当だよ?適当に買って帰ったり食って帰ったり」
「え、家で料理とかは?」
「しないしない」
「ええ?そうなんすか…」
「なんで?」
「いや、いっつも帰ったらご飯が出てくるのかと思ってたんで」
「そんな訳ないでしょ」
ひとり暮らしプラス飼い犬なんだからそんな事ありえないだろ…
「えええ、オレなら作りますよ、料理とか」
「そうなの?何作るの?」
「えっとー、キャベツの塩昆布のサラダとかササミ串にさして焼いたり…あと味付け玉子とか」
「なんかラインナップがおつまみっぽいけどいいね」
「おつまみうまくないっすか?」
どうぞ、と自分の買ったおつまみも差し出してくれる
あきらくんって飲むペース早いなー
俺がご飯を食べる間に2本空けていて
さらに3本目を飲み始めていた
「俺シャワー浴びてくるから飲みすぎちゃダメだよ。明日も仕事だし」
「はい!」
と、あきらくんの元気な返事を聞いて
シャワーを浴びに向かった
よく考えたらあきらくんと2人で出張って初めてだったな
それにあきらくんと2人でお酒飲むのも初めてな気もする
会社の飲み会とかでは飲んでたけど
2人って初めてだから気づかなかったな
あきらくんって妙に距離感じるんだよね
話しかけたら普通だし
態度からして嫌われている訳じゃないって事はわかるんだけど
なんか距離感じる気がするんだよなぁ
遠慮してるっていうか、社長とかシバくんといる時よりいい子そうにしている気もする
俺ってそんな取っ付き難いかなぁ、とため息を吐いた
元から容量はいい方の分類だ
成績も運動も中の上
仕事もそこそこで
今のまでだってそこそこ彼女とかもいたし……ここ最近はイマイチ居ないけど……
まぁ人生も中の上って感じ
友達もそこそこいるからそんな自分が取っ付き難いって思ったことなかったんだけどなぁ
シャワーから出ると
あきらくんはだらーっとベッドに横になりながらテレビを見ていた
「あきらくんは寝る前お風呂入る?」
「さっきシャワー浴びたからいいっす。また朝シャワーあびる」
「そう、ならいいけど。もう寝るの?寝るなら電気消すよー」
「はーい、」
と、あきらくんは歯を磨きながら戻ってきて
眠そうにうとうととしていた
「ちょっと、歯磨きしながら寝ないでよ」
「んんー」
と、お酒が回っているのか
単純に疲れていたのか
眠そうにするあきらくん
腰がとても重そうに立ち上がったから
「あきらくん寝る前にトイレ行きなよ?」
と、一応行っておくけど
あきらくんは口をゆすいだだけですぐ戻ってきた
「あれ、あきらくんっておねしょしちゃう子だっけ?お酒飲んでても大丈夫だよね?」
と、聞くとなにか考え込むあきらくん
あれ?眠くて頭回ってないやつ?
「えっと、」
「しちゃうタイプならちゃんとトイレ行っといてよ?」
「んんー、むりっす、」
「ええ?無理って…おねしょしちゃったらどうするの?…あ、じゃあおむつ履いておこうか?明日のプレゼン用のサンプル多めに持ってきてるし」
ほら、と鞄の中から出すと
あきらくんはどうにかモゾモゾと起き上がる
「柳瀬さん…」
「ほら、自分で履けるよね?履くタイプだし」
「んん、柳瀬さん…やってほしいです、」
「ええ、」
なんで俺が、と思いつつも眠そうに目を擦っていてあきらくんの顔が見えないし
手の隙間からチラリと見えるあきらくんの顔や耳は真っ赤になっていて
相当酔っている事がわかる
仕方ないか、ここでおねしょされて朝ホテルできまずい思いするよりマシだ、と
なるべく恥部は見ないようにして
あきらくんのズボンと下着をまとめて下ろして
片方ずつ脚から抜き
今度はおむつを片足ずつ通していき
中心に近付いた時だ
ぴく、ぴくぴく、と少しだけ動いているあきらくんのちんこ
いや、まさかな、と見ないふりをして
一気に上まで上げてそれを隠してから
ズボンも上まで上げておむつも隠す
「柳瀬さん、おわった?」
と、あきらくんはちらりと腕の間から俺の顔を見てきた
「終わったよ」
と、声をかけると
はぁ、とため息を吐いて手を退けるから
真っ赤な顔が丸見えになる
「柳瀬さん、」
どっこいしょ、とあきらくんは起き上がるから
あきらくんのすぐ足元にいたせいで思ったより距離が近くなって
離れようとすると
あきらくんの腕が背中まで回ってきた
「あきらくん?」
「柳瀬さん、」
「どうかした?気持ち悪くなっちゃった?」
「もうちょっと、このままがいいです、」
と、寝ぼけているのか酔っ払っているのかよくわからないけど
ぎゅう、と抱きついてくるあきらくんの背中をよしよしと撫でると
ずしり、と体重がかかってきて眠ってしまった事がわかる
寝たのかな、とゆっくりあきらくんの身体を横にすると
「なんか、たってる?」
と、あきらくんの中心でもっこりとしてるそれ
……疲れてんのかな、
と、シーツを上から被せて見ないふりをした
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